「クラウト」とは何か。「ソーシャル・スコアリング」が示すSNSの未来。

a woman texting at night

ソーシャル・メディアの影響力を測定する―。「クラウト」は、療養中の青年ジョー・フェルナンデスのアイデアから生まれました。今や様々な企業にとって必要不可欠になったこのサービスについて、バックグランドを探っていきます。

「クラウト」とは何か

「マス・マーケティング」の終焉

かつての広告は、巨大看板や新聞広告、テレビCMなどが主流でした。しかしインターネットが登場し、スマートフォンが普及した現在、広告は新たな局面を迎えることになります。テクノロジーは個人の影響力を強めた結果、従来型の広告は人々にとって"雑音"として捉えられるようになります。そんな中、莫大な費用をかけて行われる「マス・マーケティング」の費用対効果には疑問符付き始め、大企業は新たなマーケティングのチャネルを見つけなくてはならなくなりました。

「インフルエンサー・マーケティング」の時代

インフルエンサー・マーケティング」は現代において、マーケティングの新たな解になっています。SNSで影響力をもつ有名人と協力し、彼らの「ファン・コミュニティ」の忠誠心と行動力をうまく活用する。「インフルエンサー・マーケティング」はすでに、「いかに効率的に行動を促すか」の点において、「マス・マーケティング」を凌駕しているといっても良いでしょう。

「クラウト・スコア」が重要だ

クラウト・スコア」とは、そんなインフルエンサーたちの影響力を測る指標。ジョー・フェルナンデスは、大手術を経験した後、安静時に「クラウト」のアイデアを思いつきました。「クラウト・スコア」は0から100までの間で評価され、高ければ高いほど特定のコミュニティへの影響力を持ちます。ジャンルは、「映画」から「ピーマン」まで実に豊富。様々な分野におけるスペシャリストを、「クラウト」は探し当てて企業とマッチングを行います。錚々たる有名企業を顧客に持つクラウトは、2018年に「Lihtium」傘下に入り再スタートを切っています。

チャルディーニの「影響力の武器」との関係

「クラウト」とロバート・チャルディーニが提唱した「影響力の武器」の概念には切っても切れない関係があります。「影響力の武器」とは、「人は何故説得されてしまうのか」を心理学的な観点から分析した法則。あらゆるマーケティングの基礎として、多くのビジネスに応用されています。SNSの時代を迎えた現在、チャルディーニの法則は形を変えながらも生き残っています。「クラウト」はいわば、SNS時代における「影響力の武器」の"計測器"。ソーシャルメディア上で私たちは「クラウト・スコア」の形で"数値化"され、常に影響力を評価される時代を迎えています。

正確性の問題

もちろん、「ソーシャル・スコアリング」にも課題はあります。例えば、正確性。ソーシャルメディアのフォロワー数は不正により制御することが可能ですから。他にも、「クラウト・スコア」の高いユーザー同士の交流がスコアの向上の繋がる背景から、SNSの世界が「ソーシャル・スコアの高いインフルエンサー」たちが居座る閉鎖的な空間になる可能性も指摘されています。「クラウト」が展開するサービスは便利な反面、本来のコンセプトである「市民による発信」という性質が損なわれてしまうという課題も横たわっています。

Photo by Becca Tapert

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