イーロン・マスクとは何者か…「未来を創る男」をレビュー。

rocket launch

イーロン・マスク。

最近、何かとよく耳にする名前ですよね。
なんか、斬新なことをしていてすごい人だ、というイメージがあるかもしれません。

実際には、どんな事業をやっていて、どんな信念を持った人なのか?
気になりますよね。

今回は、そんなイーロン・マスクの自伝、「イーロン・マスク 未来を創る男」のレビューをお届けします。

イーロン・マスクって、誰?

宇宙を股にかける起業家

イーロン・マスクは、南アフリカ共和国出身の起業家です。

現在は電気自動車事業を手掛ける「テスラ」と、宇宙ロケット事業を手掛ける「スペースX」の経営を行っています。「スペースX」と言えば、ZOZOの前澤社長が「月旅行」を決めたことが記憶に新しいですよね。マスクが手掛ける事業はどれもスケールが大きく、常識の範囲内にとらわれていないことが特徴です。

性格は気難しく、完璧主義

理想に燃える熱い男であると当時に、イーロン・マスクは気難しい完璧主義者の一面も持っています。

電気自動車にせよ、ロケットにせよ、自分が納得できるまでとことん作りこみます。
完璧な製品を作るためには社員との衝突をもいとわず、冷酷に振舞う現実主義者の面もあります。

自らのロマンを体現するために、一切の妥協を許さないのがイーロン・マスクという男なのです。

「未来を創る男」のポイント

独自にインタビューを敢行している

「イーロン・マスク 未来を創る男」は、筆者がマスク本人と関係者に直接インタビューを行っていることから、非常に内容が濃密になっています。外部のインタビューを引用しただけの無味乾燥な伝記ではなく、マスクの人格を知ることのできる良書です。

マスクを形作った南アフリカでの生活とは?

本書には、「冒険精神」を宿したマスクの先祖の話から、マスク自身の辛い少年時代に関する話も登場します。また、若くして天才の片鱗を表した貴重なエピソードも多く書かれています。マスクの運命に大きな影響を与えたといっても過言ではない、闇に包まれたマスクの南アフリカ時代を知ることができます。

「ペイパル・マフィア」との関係は?

「ペイパル・マフィア」との関係にも触れられています。「ペイパル・マフィア」とは、電子決済サービスのベンチャーであった「ペイパル」のOBを指す言葉で、彼らがYouTubeやUberなど今を時めくIT企業の創業者として名を連ねていることで知られています。いわばシリコンバレーの名手である「ペイパル・マフィア」と、イーロン・マスクとの確執、そして協力関係が描かれています。

マスクを突き動かすエネルギーとは?

「未来を創る男」最大のポイントは、「イーロン・マスクを危険な事業に駆り立てるエネルギーとは何か?」という点でしょう。若くして大金を手にしたマスクは、いつでも引退できるほどの資産を持っていました。しかしなぜ彼は、リスクだらけの未知の産業である「電気自動車事業」や「ロケット事業」に挑戦するのか?「未来を創る男」は、そんなマスクの知られざる野望を浮き彫りにします。

「イーロン・マスク 未来を創る男」のまとめ

「イーロン・マスク 未来を創る男」は、変わりゆくこれからの産業構造について多大なる示唆を与えてくれる良書だと思います。代り映えのしないSNS、画面が大きくなっただけのスマホ…そんな「イノベーション」の陳腐化が進む中で、イーロン・マスクが手掛ける事業は異端といっても差し支えないでしょう。マスクは、SF映画を地で行くような画期的な「本物のイノベーション」を起こそうとしているということが分かります。彼の野望が、最終的にどんな結末を迎えるのかは正直現時点ではだれにも分かりません。しかしながら、「もし本当に成功したら…?」そんな淡い期待を抱かせてくれるのがイーロン・マスクという男であり、「未来を創る男」の魅力なのです。

 

アシュリー・バンズ(著)斎藤栄一郎(訳)

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