ラ・ラ・ランドは過大評価されているのか。

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第89回アカデミー賞で史上最多タイ、14のノミネートを受け、見事に6部門を受賞した「ラ・ラ・ランド」。製作費はわずか3000万ドルで、全世界で4億4600万ドルもの興行収入を記録した大ヒット作品です。ラ・ラ・ランドは果たして、それほどの評価に値するのか?ヒットを記録した要因とは何か?今回はラ・ラ・ランドについて、率直なレビューを書いていきたいと思います。

「ラ・ラ・ランド」の基本データ

監督 デミアン・チャゼル
製作国 アメリカ合衆国
公開 2016年
受賞 ゴールデングローブ賞7部門 英国アカデミー賞6部門 アカデミー賞6部門

「ラ・ラ・ランド」のあらすじ

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舞台はハリウッド。女優を目指してやってきたミアは、早くも現実の厳しさを目の当たりにしている。オーディションを受けても全く目が出ず、カフェでアルバイトをしながらチャンスをつかもうと粘っていた。一方、ジャズピアニストのセブもジャズバーの経営を夢見ているが、古典的なジャズに固執しているからか、成功とは程遠い状態にある。ひょんなことから知り合った二人は、月明かりの下で恋に落ちる。お互いに夢を追いかけつつ、不器用ながらも幸せをつかもうとする。

「ラ・ラ・ランド」の登場人物

ミア(エマ・ストーン)

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個人的な話で申し訳ないのですが、やっぱりエマ・ストーンはいいですね。(笑)この映画を観たのは彼女が見たいからでもあります。作中のミアはいつものエマ・ストーンの役柄よりは少し落ち着いた女性といった感じですが、それでも真摯に夢を追いかける姿勢は美しいの一言ですね。(笑)エマ・ストーン。いいね。(笑)

セブ(ライアン・ゴズリング)

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イケメンだが、保守的で頑固な男、セブ。古典的なジャズを復活させたいのが本心だけど、一方で流行のジャズなら成功できるんじゃないかという焦りも抱えています。それ以外には、基本的にいいやつ。逆に言えば、あまり特徴がないキャラクターかもしれない。(苦笑)

「ラ・ラ・ランド」の感想(ネタバレ)

ラ・ラ・ランドが高い評価を受けるべき理由として、真っ先に「ビジュアル面での完成度の高さ」が思い浮かびます。特に、最初のシーン、高速道路でミュージカル風に歌が始まるシーンは鳥肌が立ちました。全体的にファンタジー感の強い色合いが使われていて、その点では普通の映画とは一線を画していると思いますね。

一方、音楽面では個人的には期待を裏切られしまった印象です。まず、前述の最初のシーンの完成度は最高でした。しかし、その後、「シビれる」音楽が全く出てきませんでした。(苦笑)「セッション」という映画も製作したジャズ好きの監督さんですが、選曲が少し保守的で面白みに欠けてしまったと感じました。
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ストーリーも、僕が想像していたものとは少し違いましたね。「セッション」のスパルタ精神とロマンチックさがブレンドされた作品かと思いきや、かなりロマンスよりでした。予想を誤りました。(笑)そして最後のシーン。なぜかいきなり二人が大成功を収めることになるのですが、僕としては成功に至る過程を見たかったです。そして、成功した二人が再会するシーンは切ないというより、少し小恥ずかしかったです。(苦笑)

ここまでは僕の解釈なのですが、監督が伝えたかったことは少し違うみたいです。曰く、ハッピーエンドではないラブストーリーこそ心を動かすんだとか。ミアとセブは結ばれなかったけれど、確実に出会う前よりも幸せになっていて、強いつながりがあるというのです。なかなか奥が深いんですね。

「ラ・ラ・ランド」は過大評価されているのか?

あくまで僕個人の意見ですが、ラ・ラ・ランドはかなり過大評価されていると思います。「セッション」の完成度が非常に高く、脚本もドンピシャだっただけに、ラ・ラ・ランドの成功は少し腑に落ちない印象です。心に響く作品というよりは、ビジュアル面での意味合いが大きい作品なのではないでしょうか。もちろん、監督のような解釈をすれば変わってくると思いますし、人生経験によって感じ方も変わるかもしれまん。若い僕としては共感できませんでした。

それではなぜ大成功を収めたのか?詳しい分析はできませんが、一つだけ推測できることがあります。それは、マーケティングがめちゃくちゃうまかったのではないか、ということ。広告も何もかも美しいですし、SNSでも映える。そういった意味では、映画史のターニングポイントになる作品かもしれません。

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