明るくてピースフルなラップ。幸せな気分になれるラップ。あるんです。今回は、シカゴ出身のラッパー、その名もチャンス・ザ・ラッパーをご紹介します。コアなヒップホップファンじゃなくでも、好きになること間違いなしです。
チャンス・ザ・ラッパーとは?
シカゴ出身の奇才
チャンス・ザ・ラッパー(本名:Chancelor Jonathan Bennett)は、シカゴの中流家庭に生まれました。両親は公務員でしたが、ジャズやゴスペルなどの音楽を好んで聴いていたようです。音楽に興味を持ったチャンスは、マイケル・ジャクソンを好んで聴いていました。彼がヒップホップに出会ったのは、同じくシカゴ出身のカニエ・ウェストのThrough the Wireをラジオを聴いたとき。6年生になるとラップを始め、高校生になるとラップデュオを結成。卒業までの2年間は音楽活動に捧げました。高校時代、教師たちには才能を疑問視されたこともあったようですが、諦めず、現在の成功までたどり着きました。
ゴスペルの影響を受けるピースフルなラップ
チャンス・ザ・ラッパーの音楽を一言で表すなら、”ピースフル“。ほとんどの曲にはゴスペル風のコーラスが挿入されていて、明るく穏やかな雰囲気です。おしゃれでカラフルな作風は、攻撃的な歌詞を特徴とする従来のヒップホップとは一線を画していますが、それでもリズム感や曲の構造は間違いなくヒップホップの伝統を引き継いでいます。チャンス・ザ・ラッパーはまさに、新時代のヒップホップを切り開く開拓者ともいえるのではないでしょうか。
チャンス・ザ・ラッパーの代表曲5選
All We Got (feat. Kanye West & Chicago Children’s Choir)
All We Gotは、カニエ・ウェストとシカゴ少年合唱団をフィーチャリングした一曲。イントロからおしゃれ感が満載で、カラフルな何ともチャンスらしい曲です。カニエ・ウェストはチャンスにとって「師匠」とも呼べる存在。同郷のラッパーとして、最も影響を受けたといいます。カニエのアルバムにもチャンスは参加していて、相性の良さが伺えます。実際、カニエもチャンスから多大な影響を受けていると思います。(笑)コーラスは、シカゴ少年合唱団。地元愛が心に響きますね。
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Summer Friends (feat. Jeremih & Francis & The Lights)
Summer Friendsは、シカゴの犯罪の現状を嘆いた一曲。ここでもまたシカゴ出身のラッパーを起用しています。シリアスでもの悲しい曲なのですが、何とも美しい仕上がりになっています。例えるなら、夏休み終盤の夕暮れといったところでしょうか。うん、切ない。けど美しい。
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No Problem (feat. Lil Wayne & 2 Chainz)
No Problemではリル・ウェインと2チェインズをフィーチャー。巨大レーベルに対し、「問題なんて起こしたくないよな?」と警告しています。というのも、チャンス・ザ・ラッパーは大手レーベルに依存しないインディペンデントなアーティストなのです。そのため、「音楽づくりに集中させてくれない、問題を引き起こしてばかりのレーベルに用はない」と宣言しているのです。ちなみに、リル・ウェインもレーベルと対立することがあり、それを踏まえての起用なのでしょう。この曲は、2017年のグラミー賞、ベスト・ラップ・パフォーマンス賞を受賞しています。
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Same Drugs
Same Drugs isn't about drugs 😒
— Chance The Rapper Album in July (@chancetherapper) May 13, 2016
Same Drugsは、薬物の歌ではなく、少年時代の思い出を歌った曲。昔は仲良しだった幼馴染の女の子も、今はもう会うこともなく、昔みたいに一緒に楽しむことはできない。そんな悲しさを歌った曲です。年を取ることなんてないと思っていたのに。なんで変わっちゃったの?切ない。
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Blessings (feat. Ty Dolla Sign, Raury, BJ The Chicago Kid & Anderson. Paak)
Blessingsは、自らの成功と神への感謝を歌った曲です。敬虔なチャンスの曲には、このようなテーマの曲も登場します。曲の終盤は、祝福の準備はできてるか?奇跡ヘの準備は?という趣旨の歌詞が続きます。これが、チャンスからリスナーへのメッセージでしょう。
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