世の中にはなぜ、「お金持ちな人」と「貧乏な人」がいるのでしょうか?
今回は、そんな疑問に答えてくれる一冊、「金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学」をご紹介します。
「金持ち父さん貧乏父さん」とは?
「金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学」は、アメリカ人実業家、ロバート・キヨサキ氏によって書かれたベストセラー書籍です。
彼が幼少期を過ごしたハワイで、実の父親である「貧乏父さん」と、友人の父である「金持ち父さん」がどのように異なっていたのかを軸にストーリーが展開してきます。
ロバート氏自身、最終的には「金持ち父さん」に授けられた「ファイナンシャル・インテリジェンス(お金の知性)」を活かして大成功を収めていくことになるのですが…。
本書で彼が主張している「ファイナンシャル・インテリジェンス」が大胆すぎて波紋を呼んでいるのです!
「お金のために働くな、お金を働かせろ」
「お金が"悪"なのではない。『お金がないこと』が問題なのだ」
などなど…。
お金に関する「一般常識」を覆すような、驚くべき考え方が次々に飛び出していきます。
お金を稼ぐことに特化した、非常にラディカルな哲学のオンパレードです。(笑)
金持ち父さんの考え方=ファイナンシャル・インテリジェンス
ロバート氏が主張する、お金持ちの考え方、すなわち「ファイナンシャル・インテリジェンス」はいたってシンプルです。
そう、これだけです。
ロバート氏は、
と表現し、
と定義します。
「負債」は例えば、持ち家や自家用車などなど。
例えばあなたがポルシェに乗っているとして、それが収入を生むことはありませんよね。
むしろ、税金や維持費がどんどん財布から逃げていきます。
お金持ちはこの状態を嫌います。
なぜでしょうか?
それは、手持ちのお金が減れば、「資産」を購入することが難しくなってしまうからです。
「資産」とは、不動産や株式、会社などなど。
不動産なら一定の家賃収入が得られ、株式を保有すれば配当金がもらえる。
ロバート氏が「資産」にこだわる理由は、あなたが「実際に働かなくても」収入を生んでくれることにあります。
たとえ病気になってしまったとしても、南国にバカンスに行っていたとしても、「資産」は私たちのために"働いて"くれるのです。
ロバート氏は、「資産」を保有することがお金持ちになるための近道だと断言しています。
そして、そのことを教えてくれたのは友人の父である「金持ち父さん」だった、
というのが本書の本筋です。
ロバート氏は、本書で躊躇することなく「金持ち父さん」と実の父親である「貧乏父さん」を比較しています。
「金持ち父さん」より高い学歴があって、優秀な労働者である実の父が、なぜ「貧乏父さん」なのか…?
幼いロバート氏が行き着いたのは、
貧乏父さんには「ファイナンシャル・インテリジェンス」が足りない
という結論でした。
"お金持ちの考え方"が学べる一冊
「金持ち父さん貧乏父さん」は、良くも悪くも資本主義の現実の姿を反映しています。
現実の世界は「能力」や「労働」が公平に評価されるシステムではなく、「資本」が最大のパワーを持っているということを気づかせてくれます。
ロバート氏は、それを踏まえたうえで教育システムにも疑問を呈しています。
学校では、「能力に優れた」者が評価されるような仕組みになっています。
しかしながら、さながら戦場の資本主義経済では、優秀な労働者がいくら努力しても"勝者"になることができない…
この現実を学生に教えないのは大人として無責任なのではないか。
そう問いかけています。
資本主義社会で成功するために本当に必要なのは、「ファイナンシャル・インテリジェンス」
すなわち、負債を減らし、自らのために収入を生んでくれる「資産」を保有することに他ならない…
厳しくも、説得力のあるメッセージを、ロバート氏は終始読者に語り掛けます。
この本は、「資本主義の現実」を踏まえたうえで、どのように振舞うべきか、いわば「お金持ちの考え方」を学ぶことができます。
一方、実際の「投資方法」などへの言及は一切ありません。
実践的なスキルを学ぶことはできないでしょう。
しかし、「お金持ちを目指すための覚悟」を固めるうえで、これ以上の本はないのではないでしょうか。
「必ずしも模範的な人間がお金持ちになれるわけではない」という、厳しい現実も目の当たりにできます。(苦笑)
「法律の範囲内で手段を選ばない」
「資本主義という"ゲーム"で成功したい」
そんなホモ・エコノミクスな方は、是非この本を手に取ってみてください。
そんな理想が徐々に消えていくはずです。(笑)
もしかしたら、それがお金持ちになるためのスタートラインなのかも。
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