「リーダー」と「マネジャー」は混同されている。誰もが「リーダー」と聞くと、グループのマネジメント能力の高い人物を思い浮かべる。今回は、正しい理解がされていない「リーダー」と「マネージャー」という二つの概念について、その違いを明確にしつつ、考えを深めていきたい。
「マネジメント能力」が求められている…?
「マネジメント能力」。現代社会において、何かしらのグループを管理する際に必要であるとされている能力。巨大な企業に限らず、教育や家庭でも、様々な場面でこの概念が活用されている。優れたマネージャーはもちろん、高い評価を受けて、より大きな責任を担うポストへ移っていく。
「マネジメント」の意味は「管理」
「マネジメント」を直訳すると、「管理」ということになる。様々な場面で行われているマネジメントの例のひとつとして、若者にとって最もなじみが深いのは学校における「校則」かもしれない。いかに学生を非行から遠ざけるか?いかに学生を学校が設定する理想像に近づけさせるか?企業で行われている「マネジメント」はより精巧かもしれない。いかに社員を怠惰から遠ざけるためのインセンティブを設定するか?これは企業に限らず、あらゆる組織にとっての永遠の課題。とにかく、あらゆる人々や企業、機関が他人を管理しようと躍起になっている。
「自分自身」を理解せずして、「他人」を管理するのは賢明か
しかしながら、ここで少し疑問がある。「他人」を管理する側のマネージャーであるが、果たして彼らは自分自身を管理できているのだろうか?大きな組織を率いる人物が、自分自身をコントロールできないせいで沢山の問題起こす例を、、僕たちは毎日のようにニュースで見ているのではないか。完全に己を理解し、コントロールした状態で人々を動かすマネージャーは、一体どれだけいるだろうか?自分自身を管理できない状態で、他人を管理しようとすることは、果たして正常なのか。
すべては自分自身から始まる
全ては、自分自身をコントロールすることから始まるべきではないか。自分自身をコントロールする前に、他人をコントロールしようとすることは、単なる権力欲に過ぎない。行き過ぎた権力欲は、何をもたらすのだろうか?執着に基づいた管理は、本当に高い生産性をもたらすのだろうか?そもそも、自分自身をコントロールできて初めて、他人をコントロールすることのスタートラインに立てるはず。だから私たちは、他人をコントロールすることに執着する前に、まずは「己を知る」プロセスが必要になる。
「リーダー」とは何か。
それでは、「リーダー」とはどのような概念なのか。「リーダー」とは、他人が見ることのできない景色を見ることのできる人物。そのような能力はもちろん、自己の完全な理解のもとに生まれる。完全な自己のコントロールと、全く新しい「視点」と「洞察力」があるからこそ、人々を導くことができる。いわば、リーダーは3メートルくらい身長があって、先が完全に見渡せているイメージ。もしリーダーの視点が人々と同じであれば、人々は彼を必要としない。未開拓の場所に導くことができるから、リーダーはリーダーになれる。
「リーダー」と「マネージャー」の違い
「リーダー」と「マネージャー」は全く違う。「マネージャー」には独自の視点は必要とされていない。沢山の人々をうまく管理できれば、それで任務完了。しかし「リーダー」は、常に「視点」を改善し、新しい景色を探し続けなければならない。そこに「他人を管理する」という執着心も、「自分自身を管理できていない」という矛盾もない。「時間通りに任務を遂行させる」や、「従順に管理しやくする」というレベルのミッションはリーダーにはそぐわない。常に新たな道を開拓し、人々を導くことのできる人物。そんな人物こそが、真のリーダー。
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