“Attention is the new currency” – 「『注目』こそが(紙幣に代わる)新しい通貨である」
町を歩いていても、ネット上でも、常に何者かが僕たちの「注目」を集めようと躍起になっている現代。
そんな現代社会において、「注目の誘惑」から巧みに僕たちを守り、僕たちの集中力を極限まで高めてくれるツールを紹介したい。
自称「セルフ人体実験マニア」の僕が衝撃を受けたソフトウェア。その名も”Pluckeye”だ。
Pluckeye (Windows, Mac, Linux)とは?
「プラッキー」と読む米国産のこのソフトウェアだが、日本国内で使用しているのは100人以下だろうという自信がある。
“pluck”は英語で、「むしり取る」、そして”eye”は「目」を意味する。なんとも恐ろしい名前のソフト。命名の由来はそのユニークな機能にある。
世界最高の「画像フィルター」。
Pluckeyeの機能は、一言でいうと「ブラウザから画像を消し去る」こと。
Pluckeyeをインストールすれば、普段何気なく見つめているウェブサイトから、画像が消える。
もちろん、動画を消し去ることも可能だ。
そう、一言でいえば「画像フィルター」なのだ。
「画像が消えて、何のメリットがあるんだ???」
と思う方もいるかもしれない。
しかし、本当にこのような機能を欲している人々がいるのである。先入観を持たずに、読み進めてほしい。
パスワードはない。「待ち時間」だけ。
Pluckeyeの最大の特徴の一つが、「パスワードが存在しない」ことにある。
通常のフィルターならば、パスワードで設定の管理が行われるため、パスワードを知らない状態で設定の変更を行うことは不可能になる。
しかしながら、Pluckeyeの場合は、自ら決めた「待ち時間(delay)」を消化することによって設定の変更が可能になるシステムだ。
「でも、なんでそもそも『待ち時間』が必要なの?」
そう思った方。
もうしばらく読み続けていただければ、その理由がお分かりにあると思う。
ウェブサイトのブロックも可能。
さらに、Pluckeyeは、ウェブサイトへのアクセスそのものを制限してしまうこともできる。
これを使えば、何らかの事情でアクセスを禁止したいサイトがある際、非常に役に立つ。
「アクセスを禁止!?でも、何のため?」
これも、後ほど詳述していく。
もちろん、画像アリでも見られる。
もちろん、画像ありで閲覧できるウェブサイトを設定することもできる。
Windowsなら、cmd.exeで
Pluck add “Allow manedachi.com”
と入力するだけで完了。
非常に簡単だ。
お勧めの設定
お勧めの設定は、「すべてのウェブサイトへのアクセスをブロック」したうえで、後から「許可するウェブサイト」を追加していくスタイル。
このスタイルを使えば、何気なくネットサーフィンをしていて気になるページがあっても、「待ち時間」が経過するまで見ることが出来なくなる。だから、基本的にはスルーすることになる。
もちろん、本当に見たいサイトがあれば、ウェブサイトのURLを許可して、「待ち時間」が過ぎてから閲覧するのみだ。
こうすることで、本当に生産性が上がる。
お勧めしたい人。
基本的には、「集中力を高めたいすべての人」にPluckeyeをお勧めしたい。
しかしながら、「特にお勧めしたい人たち」というのがいる。それが以下の人たちだ。
ストイックな漢たち
「画像を消す」と聞いて、勘のいい男性諸君は気づいたかもしれない。そう、Pluckeyeは元々、ストイックに生きる理想に燃える「Urban Monk(都会の僧侶)」たちのために作られたのである。
24時間、いつでもどこでもインターネットにアクセスできる現代社会において、己の本能に打ち勝つのは容易ではないのだが、Pluckeyeはそれを可能にしてくれる。
Pluckeyeの設定してくれる「待ち時間」が、頭を冷やす効果を劇的に発揮してくれるのだ。
かくいう私も、”Akhanda Brahmachari”の道を志すものである(詳しくは検索してください。(笑))。
最強の精神と肉体を獲得せんとする、ロマンに燃える漢たち。そんな私たちにとって、最大の味方はPluckeyeだといっても過言ではない。
ちなみに、パソコンにはPluckeyeを装備しつつ、スマホでも何らかの対策を同時にされたい。
お子さんをお持ちの親御さん
こうなると自然に、Pluckyeを「お子さんをお持ちの親御さん」たちにも紹介したくなる。

「いや、うちにはペアレンタルコントロールがあるから結構です」

「いやいや、G〇〇gle Familyがあるんで。」
という声が聞こえてくる気がする。
正直に申し上げると、基本的にすべてのフィルターは「ザル」である。工夫次第で、どんなサイトにもアクセスできてしまうのが現実だ。
僕にもしも子供がいた場合は、すべてのウェブサイトを「ブラックリスト」したうえで、限られたウェブサイトのみを「ホワイトリスト」する方法を選ぶ。
これはいわば大前提だが、この手法をいわゆる「フィルター」で適用すると、少々厄介なことになる。
例えば、子供が新しいウェブサイトを見たくなった時に、いちいちパスワードを入力するのは面倒であるし、パスワードがばれてしまっては、本末転倒。
Pluckeyeなら、その両方のリスクをカバーできる、というわけだ。
Pluckeyeは無料で利用できる。
こんな素晴らしいソフトウェアを、何と私たちは無料で利用できる。これは奇跡に等しい。
Pluckeyeを開発しているのは北米の一人のエンジニア。僕たちとテクノロジーのより良い関係のために、Windows、Mac、LinuxとすべてのOSに対応したソフトを開発してくれている。
エラーや分からないことがあっても、気さくにメールに返信してくれる、非常に信頼のおける方だ。
一昔前は、ネットフィルターといえばNorton社の「K9」が主流だったようだ。しかし、もうすでにノートンは開発を中止している。
そんな現在、無料のフィルターとしてPluckeyeは、最高の出来だと思う。
もちろん、Pluckeyeを気に入った方は、積極的に開発者にサポートをしてほしい。僕も、ささやかながら寄付をさせてもらった。
Pluckeyeの使い方など、英語に自信のない方は僕にどんどん聞いてほしい。いちPluckeyeファンの一人として、日本でPluckeyeを広める使命を(勝手に)担っていこうと思う!
Photos by Jakob Owens Hunter Bryant Kelli McClintock
Thanks a million!
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